その理由








堕とされる天使の悲しみはまだ伝わらない





















「オレが・・・・・・何か・・・した・・・・・・?」

怒らせるような―――いや、嫌われるを通り越してしまうようなことなんてまったく覚えがないのに。
自分が何をしたか分からなきゃ、訊くしかない。

だが、訊いた途端に忍足は岳人に近づき、その頬を打った。
頬に走った鋭い痛み。
何をされたのか、岳人は理解できなかった。
理解したくなかった。

「しらばっくれる気か?」

しらばっくれるも何も、本当にわからない。
岳人は自分が何をしたのか、必死に思い出そうとしていた。



前回の部活の時は?
いつもと違うことをした?
いや、何も変わった事なんてしていない。



いつものように忍足とダブルスの練習をして。

宍戸と他愛もない会話で盛り上がって。

寝ているジローの顔に落書きをしようとして日吉と鳳に止められて。

跡部に騒ぐなって、いつものように怒鳴られて。

滝と一緒に帰って。



その間、何もおかしなことはしていない。
変だ、こんなの。
本当に覚えがないのに。

「だって、何もしてねーもん!覚えがないのに何でこんな・・・・・・」
「白々しいこと言ってんじゃねーよ」

宍戸の責めるような口調に岳人は口を閉じてしまう。
こんな冷たい言い方、されたことなんてない。

本当に、何をしたの?
部活中の一挙一動に、彼らを怒らせるような要素があった?
全員に、何か恨みを買うようなことなんてした?



「お前、昨日の夜9時ごろ、何してたんだよ」

昨日の夜9時?
滝と別れて家に帰ろうとしたのは夜7時過ぎだった。
帰宅したのは9時半過ぎ―――その間?
その間は―――



「・・・・・・ッ!」

目を見開いて岳人は宍戸たちを見た。
漸く気付いたのだ。
彼らが自分を冷たく見る理由に。

だが―――

「な・・・んで・・・・・・お前等が・・・・・・知ってんだよ・・・!?」

















天使は自らの過ちに気付いた









それは天使にとってどうすることもできない事実だった





















コメント

展開鈍い、書くのが早い。ほかのもこれぐらいの更新ペースを保て。
星夜の作品にしては珍しく、ギャグが一つもないんですが。
そして宍戸さんが激しく怖い人になっていく。

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