ガンダムSEED DESTINY アナザーストーリー
RUN IN A WORLD〜世界を駆ける者〜
「大丈夫だって言ってるでしょッ!」 医務室の扉が開いた瞬間、女性の大きな怒鳴り声が響いた。 耳鳴りがするのをこらえてアスランが入り口を見ると、血まみれのルーラリアとそれを支えているヴィーノの姿が目に入った。 「ルーラリア!」 「ルーラ!」 「大丈夫か、お前!」 真っ青な顔の3人から同時に叫ばれたが、ルーラリアは不機嫌そうな顔を隠そうともしなかった。 「ボクはユーラシスだって言ってんでしょ!ったく、何回言っても間違えるんだから!誰も人の話聞かないし!」 「だってさー、そのケガで大丈夫だって言われても信じられないじゃん・・・・・・」 ヴィーノが同情を求めるように医務室の全員を見た。 確かに彼の言い分の方が正しい。 血まみれの少女を本人が大丈夫だと言うからと言う理由で放っておけるわけがない。 「君は悪くない」 「ここまでご苦労様でした。すみません、彼女が迷惑かけて・・・・・・」 「あ、いえ・・・・・・」 頭を下げるニコルにヴィーノも思わず頭を下げると医務室からさっさと出て行った。 いや、出て行ったというよりは逃げたと言うべきか。 「あー、それよりアレックス。ちょっとお話が」 怖いぐらいの笑顔を向けるルーラリアの背後には何かしら恐ろしいオーラが見えた。 とっさにアスランは後ろに下がる。 忘れていたが、カガリを怪我させてしまったために彼が殴られることは決定済みだったのだ。 「遠慮しなくていいよ?」 「いや、あの・・・・・・アレは・・・・・・」 「問答無用。面かせや」 ルーラリアの目は据わっている。 本当に怪我人なのだろうか。 「代表をキズモノにした責任、しっかりととってもらうからね?」 「ルーラッ!」 顔を真っ赤にしてカガリが叫ぶが、言われたアスランも同じぐらい赤くなっていた。 「せっ、責任はとるさ、勿論!だから殴るのはやめてくれよっ!」 「すみません、騒がしくて」 後ろで騒ぎ立てる3人を無視し、ニコルはミネルバクルーに頭を下げた。 ルーラリアの右腕の傷はカガリ達が想像していたよりも酷かった。 無茶をしてザクに乗って戦闘をしていたのが傷が広がった原因だ。 それより重傷だったのは左足で、皿が割れる、とまではいかないものの当分は絶対安静、艦内を動く時は必ず歩行杖を用いるようにとの診断だった。 「・・・・・・ま、これぐらいなら当然かー。寧ろいい方かもね、あの混乱の中では」 「理想は怪我をしていないことです」 ニコルから厳しく言われては返す言葉もない。 ルーラリアは首をすくめた。 「・・・・・・で?」 「え?」 「何で戦艦に乗ってんのさ?」 今度はルーラリアが厳しい声を出した。 「怪我人を手当てするのならここじゃなくてもよかったでしょ?戦艦なんて、戦場に出る可能性のあるところに来たの、どうして?」 アスランが簡単に工廠内にはもうザクを収容する場所がなかったこと、カガリの怪我よりもその辺の兵のほうが重傷だったのでそちらより手当てを優先してもらうわけにはいかないと判断したことを告げた。 「それと、たぶんルーラは絶叫すると思うんだが・・・・・・」 「何?」 アスランとニコルは顔を見合わせた。 互いにお前が言えよという目をしている。 先に折れたのはニコルだった。 「・・・・・・落ち着いて聞いてください。今、この艦には―――――」 「3人はオーブ代表のカガリ・ユラ・アスハ、その随員アレックス・ディノ、医師のニコラス・エルミッシュと名乗る。それと、つい先ほどザクに乗り、強奪された3機の捕獲を手伝っていたと言うユーラ・・・・・・」 「何で ブリッジに報告していた赤い髪の少女―――ルナマリア・ホークの声はルーラリアの絶叫によってかき消された。 BACK/第2章 あとがき アスラン、責任とれる? カガリと結婚する?(笑) |