痛かったのは一瞬
イタイのは永遠
何かがおかしい、と思ったんだ。
学校に来る時に妙な緊張感を感じた。
なんとなくいつもと違って、空気が重い。
テニスコートのほうに向かうとますます空気は重くなって。
頭の中で声がした。
それ以上テニスコートに近づかない方がいい。
普段はまったく冴えない第六感が、その時ばかりは恐ろしいぐらいに働いていた。
その勘を信じずに部室のドアに手をかける。
ガチャ、とドアを開けるとそれまで騒がしかった部室が急に静かになった。
「・・・・・・おはよー」
重い空気の発信源は間違いなくここだった。
立っているだけで岳人の体は震えそうだった。
オレが、何かした・・・・・・のか・・・・・・?
誰もそれに言葉を返さなかった。
皆、何事もなかったようにまた話し始める。
寝ぼけながら着替えるジローと一人で黙々と着替える滝以外の全員が岳人を見ようともせずに誰かしらと話しつづけている。
「・・・なんだよ・・・おはよ、ジロー」
「・・・うん・・・・・・おはよ・・・」
「ジロー、ちょっと来な」
ろくに喋らないままジローは跡部に呼ばれてそっちへ行ってしまう。
「なに、あとべー?」
「別に用はねーんだけどな」
含み笑いで跡部は岳人を見た。
ジローは首を傾げた。
用事もないのに何故呼ぶのか?
「ま、この際だから言っておいてやるよ」
何を?
岳人はそれがよからぬ事とわかった。
こんなに怖いのに・・・・・・いいことな訳があるものか!
「『それ』とあんまり親密にならないほうがいいと思うぜ」
『それ』?
一体、何のことだろう。
跡部の言った『それ』が自分のことだと、岳人は思いたくなかった。
天使達は『楽園』から一人の仲間を突き落とした
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