ガンダムSEED DESTINY アナザーストーリー

RUN IN A WORLD〜世界を駆ける者〜







10月1日 アーモリーワン








「ねぇ、ニコル。これ、どうかなぁ?」

ルーラリアはワンピースを試着してニコルの前に現れた。
フリルが少な目の薄いピンクを基本にしていて、肩から白のショールをかけている。

「可愛いけど、やっぱりもう少し若い子向けだよね?」
「そんなことないですよ。お似合いです、ルーラ」
「そうかなぁ?」

ルーラリアは鏡に映った自分を見る。
確かに鏡に映る自分は可愛いと思う。
しかし。

「やっぱり、ボクのようにいい年した大人が着るものじゃないと思う・・・・・・」

今はコズミック・イラ73年。
ルーラリアはコールドスリープがあるとはいえコズミック・イラ35年生まれ。
なんとなく流行物などにはついていけない節があるのだ。
しかし、外見は15歳の少女。
ワンピースを着ていても違和感がないくらいだ。

「僕は、それはルーラにとても似合うと思いますよ」

ニコルが後ろからルーラリアの手を取った。

「ルーラの髪の色にこのワンピースの色はとても合っているし、これぐらいのフリルなら少しぐらい動き回るのには最適だし」
「うーん・・・・・・」
「第一、ルーラは自分で言うほど大人びているわけじゃなく、可愛い盛り、15歳の女の子でしょう?こういう服もちゃんと似合いますよ」

ニコルがそう言って薦めるとルーラリアは漸く頷いた。

「うん、そう言われれば似合うかも」
「ふふ・・・・・・じゃあ、こちらの商品を」

ニコルは近くにいた店員を呼ぶとクレジットカードを渡す。
ルーラリアはそこで初めて値段を見て唖然とした。

「これ、結構高価じゃない?」
「そうですか?」

ニコルもルーラリアと同じように値段を確認する。

「そうでもないでしょう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・普通、300アード(アースドル・日本円にして約3万6千円くらいと設定)もしないわよ?服って」
「え?そうかなあ?安い方じゃないですか?」

ニコルと出会って2年半。
ルーラリアは改めて思った。
やっぱり評議会議員なんて地位の高い家柄の金銭感覚はどこかおかしいらしい。
イザーク然り、ディアッカ然り、アスラン然り。
まともな金銭感覚を持っているのはカガリぐらいか。
大体、彼らと外食に行ったときに庶民は近づくことすらしないような高級料亭に予約を入れて入っていくその感覚にルーラリアは絶句したのだから、本来、これぐらいでは驚くことではないのかもしれない。

「それより、もう少し見てまわりますか?」

ニコルは店員から服の入った紙袋を受け取ると苦笑した。
既に彼の手にある紙袋の数は2桁になっている。
ニコルが買い物の代金を払う、と言うことでルーラリアは気に入ったアクセサリーを買ったり服を買ったりと結構な数の買い物をしていた。
ニコルも自分の服を買ったりとするので、必然的に紙袋の数は増え。

「・・・・・・ちょっと、紙袋整理しようか」

さすがにまずいと思ったのか、ルーラリアはオープンテラスに入っていく。
内心、これ以上荷物を増やさないでくれるとありがたいと思っていたニコルは素直にそれに従った。

「いっぱい買ったなぁ・・・・・・」
「指輪とかブレスレットとかの小物はともかく、服が結構かさばりましたね」
「二人分もあれば相当な量にもなるとは思ってたけど、ちょっと異常かも」

というか、異常以外の何物でもないだろうと二人とも思っていた。
4人ぐらいで買い物をすればそれぐらいの数にもなるだろうが、まさか二人で紙袋の数が2桁なんて。

ニコルもルーラリアもこの2年間、医者としての生活で多忙であったためか丸1日以上ショッピングに出かける時間などそうそうなかった。
これはその反動なのだろうか。

「とりあえず、一度ホテルに戻ってここで着る服だけ置いて残りはオーブに送りましょう」
「そうだね。これだけあってもホントにかさばるだけだし」

手際よく荷物をまとめ紙袋の数を減らし、二人はホテルへと向かった。










「そうそう、明日だったっけ?アスランとカガリがくるの」

進水式は3日に行われる。
しかし、その前に会談を、と言うことでオーブとプラントは話を進めているとアスランから聞いていた。
カガリ達とはそのときに会おうと約束がある。

「楽しみだなー」
「直接会うのは久しぶりですからね」
「カガリ、成長したかなぁ?あの性格のまま外交なんかやれないと思うんだけど」
「アスランのサポートがあるなら大丈夫なんじゃないでしょうか」
「それすら心配の種なんだけど」

クスクスと笑いあうルーラリアとニコルはまったく心配していない口ぶりで言う。

「明日は正装していかないといけないんだよね」

医者として行くと言ってしまった以上は医者として相応しい格好でなければならない。
ルーラリアは普段からあまり白衣を着たりはしない。
それでも医者として必要が生じた場合は必ずそれを着ている。

「あーあ、せっかく可愛い服とか買ったのに、全部お預けなのか」
「仕方がないでしょう。そういうお仕事なんですから」
「そりゃあね。自分で選んだことだもの」

そういったルーラリアの表情は誇らしげだった。





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あとがき

ルーラリアは医者である自分を誇らしげに思っています。

次回はついにアスラン達との再会ですが、なんとなくカガリが元気なさそうにも見えたのが心配です>本編