UNDO 二話








二人は自販機でジュースを買うと不二と観月の近くの席に座った。



「Although your next waging-war partner is Kevin, are you going to do a perfect game truly?」
(次のあなたの対戦相手はケビンだけど、本当にあなたはパーフェクトゲームをするつもりなの?)
「It is satisfactory. That time to he became strong. However, I also became strong.」
(問題ないんじゃない?あいつも強くなっただろうけど、オレだって強くなったんだし)
「It was amazed! If each is strong, it cannot do so that you do a perfect game simply.」
(あきれた!お互いが強くなっているのなら、パーフェクトゲームなんてそう簡単にはできないわよ?)



楽しそうに笑うカナリアは窓の外を見た。
ちょうどレイヴがポイントを取ったところだった。



「Nice game, Rave!」
「He of that is not strong and its waging-war partner is weak.」
(あれはレイヴがすごいんじゃなくて相手が弱いだけじゃん)



帽子を深くかぶったユースの表情は読み取れないがカナリアは楽しそうな顔で試合を見ている。
ふと彼女が顔を上げたとき、不二と目が合った。
カナリアはにっこりと微笑んで手を振った。



「Hello!」
「あ・・・・・・Hello.」



つられたように応える不二にカナリアは微笑んだまま首をかしげる。



「You're Japanese?」
(日本人ですか?)



おそらく自分達の容姿と微妙な発音の違いから日本人と分かったのだろう。
不二は頷いた。



「ふふ、やっぱり」
「え?」



カナリアが突然日本語で話し出し、不二と観月は戸惑う。
だが、彼女はまったく気にしない様子で続けて話し掛けてきた。



「貴方達もテニスに関心があるのかしら?さっきからずっと観戦してるでしょう?」
「ええ・・・・・・」
「素敵でしょう?私たちの試合。自慢するわけではないけれど、誇れることではあると思うの」



無邪気に笑うカナリアにユースは席を立った。



「Where does it go?」
(どこへ行くの?)
「Since I appear in the next game, I already have to go.」
(もう行くよ。次、試合だし)
「I understand.Please do your best.」
(そう。がんばってね)



カナリアは手を振ってユースを見送る。
そして彼女は不二と観月のほうを向いた。



「そちらに御一緒して構いませんか?」
「え、ええ・・・勿論構いませんけど」



観月が最後まで言い終らぬうちにカナリアは席を立ち、不二の横へ座った。



「貴方達もテニスをプレイするの?」



柔らかな笑顔で訊ねられ、不二と観月は頷く。



「そう。強さは?」



カナリアはごく自然に訊ねてきた。
まるで、不二と観月が日本では相当強い部類に入ると言うことを知っているかのように。



「僕は中学3年の時に全国大会で優勝しているんだ。彼も、結構強いほうだと思うよ」



今は、と付け足す不二の横で観月が大きく咳払いをした。
昔、5―0から1ポイントも与える事無く7―5で逆転勝ちされたことを彼はまだ怒っているらしい。
勿論、それを言うなら不二も裕太を壊されそうになった恨みが完全に晴れたとは言い難いのだが。



「中学生の時に全国制覇?」
「ええ。彼は日米親善ジュニア大会の代表メンバーでもあったのですよ」
「ふふ・・・・・・だけど、あのメンバーが日本のベストメンバーと言うわけじゃあなかったよね」
「あら、それでもすごいことだわ」



カナリアは感心した様子で不二を見た。



「とても強いのね、お二人は。お名前を伺ってもいいかしら?」
「僕は不二周助」
「観月はじめです」



二人が名乗った途端、一瞬だが、カナリアの表情が凍ったように見えた。
しかし、すぐにそれは間違いかもしれないと二人は思った。
カナリアはいつものように微笑んでいた。



「シュウスケくん、ハジメくん、ね。覚えたわ。私の名前は・・・・・・御存知かしら?」



知らないはずがない。
世界でもトップレベルのダブルスプレイヤーの名前を。
そう答えるとカナリアはとても嬉しそうな顔をした。



「嬉しいわ。人が私の名前を知っているの」
「あなたが強くて有名だからですよ」
「それに、とっても可愛いしね」
「まあ。ありがとう・・・・・・・・・あら、失礼・・・・・・」



カナリアの携帯電話が鳴り出した。
彼女はちょっと二人に断るとすぐに流暢な言葉を話し始めた。
そしてそれは、英語ではなかった。



「隔了好久、景吾!是這樣的時間反常的?・・・・・・・・・是,明白了。在後邊遇見」
(久しぶりね、景吾!こんな時間にどうかしたの?・・・・・・・・・ええ、わかったわ。後で会いましょう)



電話を切るとカナリアはまた不二達の方を見た。



「ごめんなさい、ちょっと久しぶりにお友達とお話してしまって・・・・・・」
「いや、気にしなくていいよ。それより、お友達って・・・・・・今の、英語じゃなかったよね?」
「ええ。彼は今ビジネスで中国にいるの。だから私も中国語でお話したのよ」



観月は心の中で一体彼女は何ヶ国語話せるんだろうと思った。
彼女の日本語は自分たちと同じくらい流暢で、今聞いた中国語も日本語や英語と何ら変わりないほど綺麗に話すことができていた。



「本当は彼、あなたたちと同じ、日本人なの。テニスがとても上手くて・・・・・・
 跡部景吾って言うの。御存知かしら?」
「え!?跡部って・・・・・・」
「氷帝の・・・・・・?」



不二と観月が同時に声をあげた。
カナリアは笑い、頷いた。



「そうね、そういえば氷帝学園に通っているはずだわ」
「・・・・・・」
「彼って、面白い人でしょう?」



カナリアは何を思い出したのかクスクスと笑っている。
確かに跡部は面白い人間だ。
行動の一つ一つにツッコミを入れることも苦ではないほどに。
その面白人間とカナリアはどういう知り合いなのか。



「私も、『彼』から初めて紹介された時は驚いたの。でも、『彼』の知り合いは悪い人じゃあないってわかっていたから景吾ともすぐに仲良くなれたのよ」
「『彼』というのは?」



観月が訊ねた途端、カナリアはしまったという顔をして口を押さえた。
観月には彼女がどう答えようか迷っているように見えた。



「・・・・・・『彼』・・・は・・・・・・」
「オイ、何してんだ!カナ!」



カナリアが困ったように目を泳がせると、不機嫌そうな日本語がラウンジに響いた。









あとがき

カナリアは天然です。そして重要なこともさらっと喋ってしまいます。
それを止めるのはいつも周りの役目なのであります。
カナリアだけではなくオリキャラズは誰に対してもファーストネームを呼びます。
例によって、外国語は反転してくだされば日本語が出てきます。