レッツ☆仮面パーティ・前編
「「プラントで三日間の強制休暇、ですか?」」
普段から気の合わない二人は完全に声を揃えてクルーゼから言われたことを聞き返した。突然クルーゼ隊の赤服四人(除ラスティ)にプラントでの休暇が言い渡されたのだ。
「君達の御両親からそう言われてね。」
「・・・何故呼ばれたのか、なんとなく想像がつきますけど・・・」
ニコルは自分のスケジュール表を見て呟く。
「まあ、それは御両親に直接聞きたまえ。では三日後に会おう、諸君。」
帰るなり、アスランは父親から仮面を渡された。
「・・・これは・・・?」
めくるめく嫌な予感にアスランは恐る恐る父親を見る。
「安心しろ。お前にあの変態仮面と同じように常時仮面をつけていろとは言わん。」
その時の父親の言葉にアスランは心底安心させられた。それと同時にこの仮面についての疑問も湧いてくる。
「明日、仮面パーティが開催される。お前はそれをつけて参加しろ。」
(ああ、暇潰しの道楽に付き合わせるためにオレ達四人を呼び戻したのか・・・)
アスランは遠い目をして自分以外に強制休暇を貰った三人を思い浮かべた。そして空間を通り越して聞こえるイザークの怒鳴り声を耳にしながら深く溜め息をついたのだった。
「思うんですけど、あなたに仮面は必要ないのではありませんか?」
「あらあら、そうでしょうか?」
微笑むラクスは仮面はつけているがピンクの髪とドレス・それに周りを飛んでいるハロで一発バレである。
「それにしても、お似合いですわ、アスラン。そのドレス・・・」
「すいません、二度と言わないでいただけますか、それ。」
何故かアスランはドレスを着ていた。彼の身長ならぎりぎり女性に見えなくもないが、何故女装しなければならないのかは謎である。家の者から可愛いと言われるのはともかく、父親なんてアスランの母・レノアを思い出したのか抱きつこうとしてきた(勿論顔面を殴って正気に戻したが)。
「お気に召しませんでしたか、そのドレス・・・」
「いえ、そういう訳では・・・」
「やはりアスランには紅よりも薄紫のドレスの方がお似合いでしたでしょうか?」
「それ以前の問題・・・・・・・・・はい?」
ラクスの言葉に違和感と嫌な予感を覚え、アスランは彼女の顔を見る。
「何人かのお客様には招待状と一緒にドレスもお送りしましたわ。勿論、御両親の許可を頂いて。」
ピンクの妖精と呼ばれるラクスだが、今、この瞬間からアスランの中で彼女はピンクの子悪魔として認識された。
(別れたい・・・)
アスランの心の叫びは残念ながらアニメ第36話まで叶うことはない。
暫く一人でワインを飲んだり父親の様子をうかがったりしていたアスランだが、突然後ろから肩を叩かれた。
「お嬢さん、よろしければ私と一曲踊りませんか?」
色黒で金髪の紳士がアスランに手を差し延べてきた。分かってやっているのかがかなり疑問である。
「どうです?お嬢さん。」
「・・・」
「私がリードしますよ。」
わかってない。絶対に本気で誘っている。アスランは彼の手を払い除け、仮面を外す。
「どうやらエルスマン家の御子息は女を見る目がないようだ。」
「げっ、アスラン・・・」
正体を知った途端、ディアッカは嫌な顔をする。
「・・・厄日だ・・・」
「こっちだって。」
再び仮面をつけ直したアスランは落ち込むディアッカを呆れた目で見る。
「さっきはイザーク、今回はアスランかよ・・・」