※無理矢理系







「天国ガドウナッテモ構ワナインダナ?」

そう言って唇の端を吊り上げられるとボクはもう何も言えない。
ただ、彼―――雉子村黄泉に従って足を開いてこの行為を受け入れるだけ。

ボクを手に入れたかったらその気にさせればいいのに。
それすらせずに、脅迫するような方法をとって強引にこんなことをするなんて。

そんな方法は最低なのに、ボクはそれに従うしかない。
ここまできたんだ、埼玉選抜の子達に迷惑をかけるような方法なんて取れない。

ボクが我慢すればいいだけだから。
だから―――

「大神・・・」

ごめん。
こんな奴の言いなりになるなんて、お前が生きていたら絶対に許さないだろう。
だけど、ボクはこうすることでしかあの子達を守れないから。

「オ前ハ、泣イタ顔モ可愛ラシイ」

無理矢理顎を持って口付けられる。
大神以外の人間を知らない唇。
汚された。
この場に愛刀があれば、迷わず彼の首を切り落としていたかもしれない。
悔しい。

「モット泣イテ、俺ヲ喜バセテミセロ」

その時聞こえた、遠くから駆けてくる足音。
聞き覚えがある。
もしかしたら、この状況を打破できるかもしれない。
そう考えて、ボクは彼に従うのを止めた。

「冗談はやめてくれるかな?どうしてボクが君のために泣く必要があるの?」
「埼玉選抜ガドウナッテモ・・・」
「その脅迫はもう飽きた」

足音が近づいてくる。

「アメリカじゃどうか知らないけれど、日本ではこれは立派な犯罪。刑法176条、強制わいせつ罪適用。13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。日本語は理解できる?

襖が開かれた。

「テメェ、何してやがる!」

入ってきたのは御柳くんと猿野くん。
二人とも、大声を出したまではいいんだけれど、ボクが組み敷かれているのを見て真っ赤になって。

「チッ・・・」

雉子村黄泉は舌打ちをしてボクから離れた。
ボクは両手が背中で縛られているから、起き上がれないし、肌も隠すことが出来ない。

「サッサトソイツヲ連レテ帰レバイイダロウ。モウソイツハ抱キ飽キタ」
「勝手な事を言ってくれるね。飽きるほど抱かれたような覚えはないけれど」

口だけは達者だと笑われる。
同じことを大神に言われたのを思い出して、本気で彼を殺してやりたいと思った。

優しかった大神。
優しくなかった雉子村黄泉。
ボクが好きな大神。
ボクが嫌いな雉子村黄泉。
正反対。
なのに同じことを言う。
ボクが感じる気持ちも正反対。

大神に言われたら嬉しい。
だけど、雉子村黄泉に言われるのは・・・

「っ・・・ぅ・・・」
「監督!」

絶対に声はあげまいと思っていたのに。
涙は見せても、絶対に声だけはって、決めていたのに。
猿野くんが慌ててボクに駆け寄ってくる。

来ないで。
見ないで。
こんなに汚いボクを見ないで。
触っちゃダメ。
キミまで汚れてしまう。

ごめんね。
ボクはこんなにも汚い人間なのに。









あとがき

尻切れトンボで終わる。
本当はさ、黄泉が白雪さん拉致してきて、大阪全員で攻めるみたいな事をしたかったわけよ。
ほら、ヤバイのいたし。(ポップスター)
でもそこまでする気力がなかったので中途半端に黄泉雪。