※妄想120%で構成されています







甲子園地区予選が始まる一週間ほど前。
高野連では来たるべき県対抗総力戦の監督選びが難航していた。

「首領、こちらが埼玉選抜の監督候補です」

差し出された資料には各校の監督と成人以上のアマチュア野球選手などの姿があった。

「本来なら決勝まで残った校の監督の中から推薦しようかと思ったが…」

首領は深く溜め息をついた。
決勝に残った二校の監督は片や入院、片やお面。
かといって別の高校を見てもメガネだったりスパゲティだったり気合いだ根性だとうるさかったり軍人だったり赤ちゃんだったりと、埼玉監督にはまともな奴がいない。
強いてあげるならディエチか羊谷か村中か。

「まったく、どうしたものか」
「首領、やはり選抜で合宿とあれば女性はまずいですよ」
「しかしなんと言っても高校生ですからね。目の保養になる人でないと、別のところで問題を起こしかねないのでは…」
「逆に大阪選抜みたく飴はなしで鞭のみという考え方はどうでしょう?」
「そうはいっても、全国すべての監督があんな外見で優勝したとしても問題じゃないですか」
「というと?」
「だって優勝して胴上げする時に、大阪選抜の監督のような人だと絵的にこう…」

何気なく言われたこの発言で方向性が決まった。
ヴィジュアル系以外の監督候補は削除され、若くて実力のあるアマチュア選手のみが監督候補に残った。
候補が数名に絞られたところで面接でも行うかということになった。

そして監督候補面接当日。

「おはようございます。白雪静山です。よろしくお願いします」

微笑んで頭を下げる美青年。
白雪は一際目を惹いた。
適当な説明の後に質問はないかときいたところ、白雪ははい、と手を挙げる。

「選手候補の中に御柳芭唐くんと犬飼冥くんはいますか?二人ともたぶん十二支高校の一年生だと思うんですけど」
「御柳芭唐?ああ、華武高校の四番に同じ名前の選手はいますが…」
「華武?…御柳くん、もしかして十二支に入れなかったのかな…それほど頭良くなかった気がするし…あ、はい、たぶんその選手です。彼がいるのなら是非監督を引き受けたいと思います」
「知り合いですか?」
「恋敵です」

さらりと言われた言葉に高野連側は絶句した。
そして、改めて白雪が男性だと言う事実を知ることとなった。

勿論その恋人と言うのは男なのだが、まさか男を男が取り合うという三角関係は予想できるはずもない。



そんなこんなで、埼玉の監督は白雪に決定。
埼玉を発つ前に白雪は大神の墓へと報告に行った。

「そういうわけで大神、ボクは久しぶりにあの3人・・・正確には犬飼くんと御柳くんに会ってくるよ。辰羅川くんは選抜に選ばれていないみたいだけど・・・ふふ、もしも犬飼くんがイイ男(投手)に成長してたら、ボク浮気しちゃうかもね。・・・・・・ううん、嘘に決まってるよ。ボクが一番好きなのは大神。これは生涯変わらないよ。御柳くんは盗み癖がなおっているといいけど。辰羅川くんはボク並に上手いキャッチャーになってるのかな。楽しみだよ。・・・それじゃあ、大神。ボクは一足先に行って埼玉の子達を待たないといけないから。行ってきます」

墓に手を合わせ、その場を後にする。
車へ向かう時に銀髪の大柄な少年と眼鏡をかけた少年、その二人とすれ違った。

「・・・待ってるよ」

「?」

犬飼はすれ違った青年の言葉に立ち止まり、振り向いた。
青い長髪の青年はもう墓参りを終えたのか帰る所だったようだ。

「どうかしましたか、犬飼くん?」
「・・・とりあえず・・・なんでもない」

どこかで会ったような懐かしい感じ。
きっと気のせいだ。
犬飼はすぐにその青年の事を忘れて大神の墓へと向かった。






あとがき



え、犬雪犬!?(新境地開拓???)
どうでもいいですが、犬雪ってぱっと見大雪と間違えませんか?

墓参り辺りからは蛇足なんですが、この時点では白雪さんは3人も普通に自分の事を覚えていてくれると思っていた模様。
「大神と二人で可愛がったんだから覚えていてくれるよね」でしょうか。