※中学時代の大雪。







「絶対受けない。嫌。そんなことするぐらいなら熱出して寝込む方がマシ」

注射嫌いの恋人はそう言い放った。
嫌だ嫌だと言ってもオレ達は受験生なのだからインフルエンザの予防接種ぐらい受けねばマズいだろうに。
そう言ったところ、泣かれた。
断っておくがオレとしては泣かす気もなければ嫌がることをムリヤリさせる気もない。

「ユキ、インフルエンザかかって当日試験受けれなかったら困るだろ?」
「だって注射痛いんだもの。血が出るし、なんでそんなものがあるのか理解できない」
「今時小学生でもそこまで嫌がらねーぞ」
「じゃあボクは幼稚園児でいい」
「あのなぁ…」

確かに注射は痛いし、嫌がるのも分かる。
が、それにしたって中学生男子がここまで注射を嫌がるなんて。
涙目で嫌がるなんて。
そこがまたかわいいと言えばかわいい。

「…じゃあ、ユキ。注射が痛くないおまじないしてやるから」
「…あのさ、大神…おまじないなんて9割は効かないものだよ?」
「効く。断言できる」

オレはそう言って恋人にとっておきのおまじないを教えてやった。



腕に針が刺さっても、ユキは表情を変えない。
ただ、頬がいつもよりも赤い。
これはおまじないが効いたってことだな。

「効いたろ、おまじない」
「うん、すっごくよく効いた」



『注射なんて、今夜どんな風に抱かれたいかだけ考えてりゃ、知らない間に終わってるぜ』












あとがき

なんてことを教えてるんですか、大神さん。(お前だ)
何を言われても痛いものは痛いです。私はすっごい血が出ました。
っていうか、この白雪監督の注射の嫌がりようは私の注射を嫌がる様です。
白雪姫は注射をするのは好きだけど(笑顔で御柳や犬飼の腕に注射針さして「あ、ごめん、間違えちゃった」とか言いそう)注射されるのは大嫌いそうです。