※このお話では犬飼と御柳がもういいよねこの説明







競馬では公平を期すために体重を考慮して考えてあった。
組み合わせは以下のとおりである。

兎丸・白春
クワットロ・小饂飩
録・牛尾
沖・神鷹
虎鉄・影州
桃食・犬飼
由太郎・御柳
猿野・紅印
緋慈華汰・屑桐
雀・魁
白雪・大神

一部、誰とは言わないが明らかに無理があるものの、とりあえずこれで決まりのようだ。
が、どうにも不安があるのは猿野でも幽霊と組んでいる監督でもない。
兎丸は気合を入れてはちまきを巻いているパートナーを本気で嫌そうな目で見た。

「ぃよっしゃー、頑張るベー!」
「ねぇ、クワットロさん。ボクらのパートナーって体重同じなんだよね?そしたら別にパートナー交換してもいいとか思わない思うよね思え」
「思わぬわ。身長も体重もワシと貴様では差がありすぎるからのう」
「うわー、ムカつく」
「ウサギさんウサギさん」

密談をする兎丸とクワットロに気づかなかったのか、いつも以上に楽しそうな白春の声。
兎丸がそっちを見れば「ふぁいと!」と書かれたはちまきが白春の手に握られていた。

「・・・付けないよ?」
「なして!?」

自分が早起き(朝7時に起きた)してつくった会心の出来のはちまき。
それを拒否されるなんて、と白春はビックリした。

「オイ、スバガキ。オレとでよければいつでも代わっ」
「嫌。全力拒否。何も聞こえない。猿の兄ちゃん、何か言った?」
「・・・・・・」

そこまで嫌か。
ちょっとだけ全員が紅印に同情を寄せたが、すぐに撤回。
自分達が代われといわれたら全力拒否だろうから。

「いいじゃない、お猿ちゃん。あなたアタシの好みだから、優しくしてあげるわよ」
「いや、いいです。つか、同じ学校の蜘蛛さんとかと組めばいいじゃな・・・」
「猿野?」

猿野は背後にものすごい殺気を感じた。
この感じは、なんというか、蜘蛛の糸にかかった蝶々の気持ちだろうか。

「き、霧咲さん・・・」
「紅印 相棒 猿野。是、事実。了解?」
「はい勿論ですとも」
「頑張れよ、猿野。オレ様達はやる気満々だけど、兄貴はヤる気満々だからちょっと大変かも知れねーけど、何とかなるって。ほら、兄貴はタチに見えるかも知れねーけどタチネコってヤツだからどっちでもイケるって・・・」
「なら代われモノマネ」
「やだべー」

「はいはい、皆集まってー」

上機嫌の白雪監督が現れた。

「そういうわけでペアは組んだかな?審判はメルにお願いするね」
「拒否権なんてないでしょ。私、一応芭唐の応援兼御目付役ってことで残ってるのに・・・」
「ルールは簡単だからね。ちゃんと覚えるように」

白雪は白春の顔をじっと見ながら言った。
一番の不安要素が馬役とは全く。

「まずはこの砂入りリュックを背負うこと。それほど重くないと思うけれど、高校生にはちょっときついかな?次にコース。旅館の中に順路が書いてあるからその通りに進むこと。ショートカットをしてもいいけれど、チェックポイントがあるのでそこをちゃんと通らないと失格。スタートとゴールはここ。ボクと大神よりも遅かったペアには罰ゲームが用意してあるからね。それと最後に掛け金は1000円から、払い戻しは・・・」
「はい、スタートラインについてー」

メルは白雪の説明を遮る。
高校生になんてことを教える気だ、この監督。

「ユキ先輩、大神先輩と組むの?大神先輩、体力が底なしだから・・・何しろ幽霊だし・・・ちょっと反則じゃないかしら?」
「ボク幽霊となら組んでもいいけどこの人とは嫌」

兎丸がぼそっと呟いた。
走り出した途端にこの人、つぶれそうだなぁ・・・と思いながら。
が、白春は一応華武のレギュラー。
そんなこともないだろう。
というか、おんぶする以前の問題があるペアもいるわけで。

「嫌だ!冥以外の人間とおんぶしたくねーよ!」
「とりあえずオレだって・・・芭唐以外をおぶえるか・・・」
「わがままだなー、みやなぎ・・・」
「いいからささと朕を背負うヨロシ」
「「いやだ!」」

埒のあかない言い合いが続く。
兎丸はなんとなく、白春と組んでもこの二組には勝てそうだと思い始めた。

「いいからさっさとスタートラインにつきなさい、二人共」

メルがその仲裁に入る。
しかし、逆に「オレ達の関係を知っているのにそんな残酷な事を言うのか!」と食って掛かられる始末。
もっとも、そんなことに屈するなら御柳の姉なんてやってられないわけで。
メルはにっこりと一言。

「それ以上駄々こねてごらん。アンタ達が幼稚園に入るぐらいの時の写真、全員にばら撒くわよ?勿論、生まれたままの姿が写ってるのもあるし、おしめ姿のだってあるし、お望みなら二人揃って女装してる写真だってあるわ」
「「喜んで競馬をやらせていただきます」」

結果、二人揃って頭を下げた。
思わず何処からともなく拍手が起こる。

「まー、ユキ先輩は女装写真を見たことあるはずなんだけどね、大神先輩経由で」
「鬼か貴様は」

快活に笑うメルを見て屑桐が一歩引いた。
白雪はうんうんと頷く。

「ボクと大神に子どもが生まれたらこんな可愛いのかなぁって未来予想図を立てていたよ」
『そうそう、きっとユキちゃんに似て美人な子が生まれるぞってな』

顔を真っ赤にする犬飼と御柳。
そして幽霊といちゃつかれても困るものがあるわけで。
ともかくこれで全員がスタートラインに立つ準備が出来たわけで。

「はい、位置についてー」

メルがやる気なくタイムウォッチを構える。

「用意・・・スタート!」
「ふぎゃ!」

スタートの合図と共に早速白春がつぶれた。
一瞬全員がそれを見て沈黙した後走り出す。
メルは白春の頭をつついて、反応がないのを確かめると紙に『リタイア』と書き込んだ。

「・・・・・・もう、ほんっと・・・なんなの、この人・・・・・・」

兎丸が既に悟ったように呟いた。

「ねー、砂入りリュック二つ背負うから一人で走らせてくれない?」
「いいんじゃないの?白ちゃんがつぶれただけで、比乃は何もしてないんだし」
「じゃあ、いってきまーす」

つぶれた白春を無視して兎丸は一人で走り出した。
メルはそれを見送った後、白春を旅館のソファーに寝かせた。















あとがき

本来影州と犬飼はペアが逆なのですが、なるべく同じ学校同士が組まないように配慮。
雀と白春は身長は一緒ですが、体重が違います。
ちなみに雀白は猿野よりも身長が1cm低いのに体重がでかいです(猿野は体重60kg、雀が63kg、白春が64kg)

体重を足したものは以下のとおりです(単位省略)
兎丸・白春=106  クワットロ・小饂飩=114  録・牛尾=116
沖・神鷹=118  虎鉄・影州=123  桃食・犬飼=121
由太郎・御柳=128  猿野・紅印=130?(紅印=影州と仮定)
緋慈華汰・屑桐=134  雀・魁=143  大雪=不明
うん、大体体格のいい人になるにつれて重くなってるのでバランスは取れてると思うのです。
大雪は明らかに反則ですが(笑)まぁ、やりたかったので。
つか、CPにならないなぁ、コレ・・・(猿野と紅印は若干あるか、ぐらいで)