※この話では犬飼と御柳がとっても仲良しです。





白雪から言い渡された特訓は短冊をたくさん切ることだった。
日本刀で短冊を親の敵と思い込み滅多切りにする特訓。
猿野は文字通り親の仇、雉子村親子を連想した。
由太郎は魁の顔に傷をつけた神鷹(小説より)を連想。
そして御柳はというと。

「小学3年の時に冥をいやらしい目で見た名前も忘れた身の程知らずめ、喰らえーっ!」
「御柳ー、たぶんそういう特訓じゃないと思うぞ?」

刀で短冊を真っ二つにし、その上のほうの短冊を刀の鞘で叩く。
教えられてもいないのに飛天御剣流を使いこなす御柳に、猿野が的確なツッコミを入れた。

「監督が言いたかったのは破竹を超えるスイングを身につけろってことだろ?ありえない剣技を会得することじゃないと思うんだけどなー」

由太郎がこそこそと猿野に話し掛ける。
なんというか、御柳のそれは明らかに方向性を間違った特訓だ。
猿野もそれに同意する。

「破竹を超えるスイングって、例えば武軍の覆面とかセブンブリッジの切り裂きジャックがやってるあれか?」
「アレより速いスイングってことじゃねーの?」
「突き詰めていけば飛天御剣流奥義って事か?」
「それとも違うと思うんだけど、そうなんのかな?」
「あ、見た!?今の見たか、オイ!もう少しで九頭龍閃出来そうだったぞ!」
「「いや、絶対違うな」」

ちょっとばかり真剣に悩んでいた二人は嬉しそうな御柳の言葉に頭を振った。
一体これは何の特訓なのか。
まさか白雪は本気で剣術指南をはじめようというのだろうか。

「よし・・・見てろよ、(オレの脳内でオレの活躍を見てくれている)冥・・・」

御柳は真剣を構えなおす。

「オレは斬左と呼ばれた男だ!こんな紙ぐらい屁でもねーんだよ!」
「オイ、バブリシャス。キャラ変わってんぞ」

刀を一心不乱に振り回す御柳を見て、猿野と由太郎は確実にこの特訓は失敗だと思った。





「・・・・・・・・・平和だね」

室内でする物音といえば桃食と兎丸の遊ぶ声。
紅印がとてもいい顔で影州のマッサージをしている音。
ただそれだけだ。
マッサージをされている影州は気持ちいいんだが嫌なんだか複雑な顔をしているが。

「犬飼達がいなくなるだけでこんだけ静かになるなんてなー・・・あー、気持ちいいわ、兄貴。もうちょい右」
「ここ?ここがイイの、影州?」
「イテッ!そこは嫌だっての!もっと優しく触ってくれりゃいーのによー」
「優しくして欲しいの?」
「そうそう。あー、こんなカンジがイイ・・・」
「あー、オラもっ!オラもして欲しいよ゛ぅ!」
「もう少し待ってなさい、白春ちゃん。すぐに気持ち良くしてアゲルから」
「中宮に頼むな、白春!こいつの手つきと声と言い回しはどこかいやらしい!」
「大丈夫だって、兄貴は白春は守備範囲外だからさ。ほら、寧ろ屑桐がしてもらえよ」

影州の言葉を聞いた屑桐は思い切り彼の顔に枕を投げつけた。
避ける術のなかった影州は顔面にそれを受ける。

「ぶはっ!何すんだよ!」
「気色の悪いことを抜かすな!」
「あら、でも本当のことよ?神鷹君と魁君もマッサージしてあげましょうか?」
「断る」

魁は即座に拒否の返事を返し、神鷹は紅印から一番遠い壁際に移動した。
影州は彼らの気持ちが痛いほどわかった。

「・・・でもまぁ、本当にあの二人がいないと平和だな」
「そうね。帰ってきたらうるさいでしょうけど・・・」

「飛天御剣流奥義、天翔龍閃!」

「・・・・・・・・・」

どこか遠くで噂の人物達の片方の声が聞こえた。
聞かなかったことにして紅印は影州のマッサージを続け、影州はそれを受ける。

「平和」
「本当に平和だね」
「うむ、平和だ」

雀、牛尾、魁も何も聞こえなかったフリをして平和をかみ締めていた。

「ところで、二人が始めたらどうするノ?」

そんな平和を打ち破る桃食の一言。
部屋の温度が2度下がった。
白春はくしゃみをしてさっさと布団にもぐりこんだ。

「・・・・・・始めるって、何のことだい?」

牛尾が爽やか過ぎるオーラを放ちながら桃食を見る。
が、その爽やか過ぎるオーラに隠れてそれ以上しゃべるなという言葉まで見える。
勿論桃食はそれをわかっていてわざとらしく再度訊ねた。

「だから、あの二人が抱き合たりキスしたり、あまつとても口には出せないような行為を始めたらどうするかて聞いてるヨ」
「あっはっは、その時は最終手段として犬飼君の寝場所の隣を霧咲君と神鷹君に固めてもらうから大丈夫さ」
「大丈夫かなぁ・・・」

兎丸の呟きは決して雀と神鷹を過小評価しているわけではなかった。
むしろ犬飼なら、今の犬飼ならばそれすら乗り越えて御柳とニャンニャンしそうだ。



そして兎丸のこの疑問は、最悪の形で答えとして返される事を、彼らはまだ知らない。





が、とっくに予想していたのでさして予想外という訳でもないが。











あとがき

書き終わった途端、いきなり携帯からメガロが流れてきました。
アラームでした。ラジプリ録音しなきゃ。録音しても聞かないけど。
次回、本番?それともその次が本番?
とにかく本番書きたいけど、人様に見せられるエロが書けません。