※この話では犬飼と御柳がとっても仲良しです。





念願叶って本日は御柳と犬飼が隣で寝ることになった。
そうなった理由はいたって単純。
食事中に御柳の姉が突然食堂に入ってきてこう言ったからだ。

「たった今、私の部屋に監視カメラをつけてもらいました。神鷹樹君、御協力感謝するわ。さて、誰とは言いませんが。今夜私の部屋に来たら、部屋に入った瞬間から起床時間になるまでの映像をマスコミに流出するからそのつもりで」

騒がしかった食堂が一気に静かになる。
白春が元気よく「はーい!」と返事をする声すら全員にはどこか遠い世界の声に聞こえた。
誰とは確かに言っていないが明らかに犬飼と御柳に対する牽制だ。
二人のヤってる映像がマスコミ流出。
そんなことになれば埼玉は出場停止間違いなしだ。
ついでに素行云々の問題から他の選手にも影響が出るだろう。
そんなことになったら屑桐のプロ入りの夢がつぶれるかもしれない。
牛尾財閥の未来も不安になる。
危ないところに就職が内定している神鷹やクワットロにとっても大迷惑。
セブンブリッジへの影響は全くなさそうだが。

全員が事態を察したような顔を見てメルは満足そうに頷いた。

「用件はそれだけ。はやく御飯食べないと冷めるわよ」

誰の所為で食事が中断したと思っているんだろう。
誰の所為でこんなに寒い空気が流れていると思ってるんだろう。
メルの所為、と言いたいが元をたどれば犬飼と御柳の所為だということに兎丸は気がついた。

「・・・・・・でも、冥と手ェ繋がないと眠れない・・・・・・」

ボソッと御柳が言った。
途端に隣に座っていた犬飼が大きく頷く。
夕べは雉子村に負けた白春が大泣きしていて、その左隣に御柳、右隣に犬飼という配置で寝たのだ。
寝た、と言うよりも横になっただけである。
白春の泣き声がうるさくて眠れなかったのだ。
どうして雀は彼を追い出さないのだろう、と初日に部屋を追い出された二人は疑問に思いつつ夜中の2時を回ったところでリタイア。
そっと部屋を抜け出しメルのところに土下座して泊めてくださいと頼んだ。
言い方が悪かったのか(「芭唐と二人で寝かせてください!」)即行で追い出されてまた部屋に戻るハメになったが。

「冥と、寝たい」
「オレも、芭唐と寝たい」
「いや、まぁ、わからんでもないがな?それはぐっすり休みたいとかそういうイミじゃないだろ。ヤらせてくださいって意味だろ?」

影州が却下、と一言。
途端に御柳は持っていた箸を影州に投げつけた。

「一人身の男にオレ達の気持ちが分かってたまるか!」
「とりあえず、よせ。芭唐・・・」

犬飼は御柳を落ち着かせようと声をかける。

「あいつは一人身なんじゃない。本当はいろんな女に声をかけてるが、いつも夜になると逃げられて、その悔しさからオレ達に辛く当たるんだ」
「僻みか」
「ああ」
「ふざけんな、この一年が・・・っ」

影州は持っていた箸を折った。
正直、この一年生がどんなスキャンダル起こそうともう関係ない。
追い出したい。
とにかく自分の側から二人まとめて消えて欲しい。
紅印が新しい割り箸を影州に渡す。

「もう、大人気ないわねぇ」
「中宮、そいつの言うことはもっともだ」

屑桐が影州を擁護する。
この二人は時間がたつごとに見せ付けてくる。
最初は人目を憚っていたのが嘘のようだ。

「もう、大人しくしてないと辰羅川君に言いつけるよ」
「・・・・・・・・・・・・や、そうなったら辰を殺・・・」
「ストップ」

犬飼の物騒発言に兎丸は前言を撤回した。

とにかく寝る場所は後でなんとかするとして、御柳は猿野、由太郎と共に白雪の部屋へ行った。



「監督、呼びましたか〜」

襖を閉めると刀を構えた白雪が目に入った。

「実は、御柳君と犬飼君の勝手な行いを随分と腹に据えかねていてね。ここで御柳君を切り捨てることに決めた」
「・・・・・・へ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・冗談だけれどね」
「い、今の間は・・・」
「さぁ、早速特訓を始めようか」

白雪はにっこり笑顔で後ろを向いた。
薄ら寒いものを感じ御柳は動けずにいる。
白雪の目は本気だった。
猿野も相当怖かったらしい。
冷汗がだらだらと出ている。

「目ェ見て話せよ!」
「それじゃあ特訓の説明をするね」
「監督!」

由太郎までちょっと本気で怖がっている。
白雪は聞こえていて完全に無視しているのだろう。
笑い声がとっても怖い。

「君達にしてもらう特訓はね・・・・・・」












あとがき

時間軸?知らん。
とりあえず話は思いついた順に書くので時間が行ったりきたりしますが
気にしないでください。