※この話では犬飼と御柳がとっても仲良しです。
※ですが2人は部屋を追い出されたので出てきません。






「さて、邪魔者がいなくなったところで話があるんだけれど」

牛尾が起き上がり、雀に向き直る。
関わらぬが吉とばかりに寝なおそうとする影州だが、その肩を掴むものがいる。
猿野だ。

「テメェも当事者だ」
「・・・・・・・・・・・・なんの」

ふと影州は起き上がった面々を見る。
牛尾、雀、猿野、自分、虎鉄、兎丸。
嫌な予感がビシバシだ。
っていうか雀が犬飼と御柳を追い出したのはわざとっぽいな。
眠いにしてもちょっと強引だった。
というか今の雀は別に眠そうでもなんでもないし。

自分含めこの6人の共通点。
御柳と犬飼を含むなら8人の共通点。

「・・・・・・あれ、まさか『あのこと』ばれてる?」

ばれていないと思っていたのに。
影州の顔がヒクッと引き攣った。

「はい、自己申告ありがとう」

牛尾が見るものを凍りつかせるメドューサの如き微笑を見せる。

「君等5人。誰に断って僕の葵に手を出した?隠しても無駄だよ、裏は取れている。葵のいない今がチャンスだ、話せ。吐け。洗いざらい吐け」
「あれだろ、雀が付き合ってるって思ってる子の元彼がアンタなんだろ?」
「誰が元彼だい!?」
「ぎゃっ!」

牛尾は影州の鳩尾に容赦のない一撃をお見舞いした。
影州はその場に倒れる。
兎丸と虎鉄が生暖かい目で牛尾の肩を叩く。

「主将のことだよ」
「事実は認めなきゃいけないっスYo」
「シャラップ!これから先、君達にスポットライトが当たらないように計らってあげようか!?」

牛尾の卑劣な脅しに兎丸と虎鉄は黙った。
こんな時ばかり主将としての手腕を発揮しやがる。

「まぁ、そんな些細な事はいいとして、この際だからはっきりさせておきたい。そこのイロボケ君と無口君。君等、他校のくせに葵に手を出したって本当かい?ああ、このイロボケ君が自供したんだったね」
「・・・馬鹿影州」
「ぐえっ!」

雀が影州の横っ腹を思いっきり蹴った。
影州の口から魂が抜けかけているのを沖は確かに見た。

「付き合い始めたのはいつからだい?」
「・・・武軍戦後」
「その頃葵はボクと付き合っていたんだけれど」
「?」

雀は知らないとばかりに首を振ると虎鉄に視線を移した。

「当時 葵 恋人・・・虎鉄?」
「は?」

兎丸が怪訝そうな顔をした。
虎鉄と関係を持っていたのは知っていたが、まさかそんな。
口には出さないが自分も当時は司馬と付き合っていた記憶がある。
まさか4人と同時に付き合っていたのか?

「た、確かにオレも当時は付き合ってたZe!?けど、そん時は猿野と犬飼が司馬と付き合ってたんじゃねーのかYo!?」
「ちょっ、確かにオレもその時は司馬と一緒にいたけど付き合ってたわけじゃね・・・」
「そ、それ全部違う・・・・・・」

影州が紅印に解放されながら何とか声を絞り出した。
あそこまでされながらなんて根性だ。
さすがは紅印の弟といったところか。
よく理屈は分からないが。

「違うって、何がだい?」
「司馬は、誰とも付き合ってる気じゃなかったんだって・・・・・・」

影州は携帯を取り出すとメールボックスを開き、司馬とのメールを見せた。



『お前、雀と付き合ってんだってな。最近どーよ?』
『え?付き合ってないよ?』
『は?恋人じゃねーの?』
『誰が?』
『お前と雀』
『違うよ』
『あー、もしかして十二支のウサギかキャプテンと付き合ってんのか?』
『誰とも付き合ってないよ?』
『嘘、お前恋愛フリーなの?ってか、あいつ等付き合ってるつもりだしょ?』
『恋人はいないよ。付き合ってるって言うのは、意味が違うのかな?』
『どんな意味?』
『「付き合って」って言われた時に、オレはちょっとそこまで付き合うって意味に取ったんだけど・・・そういえば、いいよって返事した後からやけにみんなにベタベタされるんだ。もしかして勘違いされたのかな?』



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あ、やっぱり勘違い?」
「この携帯、燃やしちゃおうか」
「そうだな、それが一番Da」
「・・・・・・・・・・・・何これ、嫉妬?嫉妬でオレのケータイ燃やされんの?」

もう涙もかれた影州の肩を猿野は哀れみをこめて叩いてやった。

「すんだことはいいとして、これが本当なら犬飼君も御柳君も、司馬君とは付き合ってなかったってこと?」

兎丸の発言にそういえば、と全員が先ほどの二人の様子を思い浮かべた。
明らかにニャンニャンしていたよな、と。
何故にアレほど仲が良いのか。
っていうか殺し合い一歩手前だったあの雰囲気はいずこへ。

「あんたらさ、なんか知ってんじゃない?」

兎丸が白春と屑桐を見た。
いくら後輩のあんなエロイ声を聞いたからって(全員に筒抜けだった)、顔赤らめるって言う反応はどうかと思う。
っていうか自分等は寧ろ鳥肌立ったわ。
殺しあうぐらいに憎みあってるやつらが何をニャンニャンしとんねん。
案の定、白春は真っ赤になって目を逸らし、首が外れるんじゃないかという勢いで首を振った。

「ししししし知らないング!!!みみみ御柳といいいいい犬飼がっ、実はっ、らぶらぶだなんてっ!!!くくくくっ、口が裂けングしてもいいいいい言えないングッ!!!」
「はい、解説ありがとう」

絶対にコイツにだけは秘密を悟られまい。
全員の心が一つになった。











あとがき

いや、ネット上で人気のある司馬受CPと手を出すのが速そうなやつ等を並べたらこうなったわけで。